【成長必須】部下が育つ仕事の教え方〜教え方の4段階法〜
あなたは部下に対し、こんな悩みを持っていないでしょうか。
- 何度も同じ間違いをする
- 仕事を覚えてくれない
- 何回も同じことを聞いてくる
思うように部下が仕事を覚えてくれなくて、悩んでいる方は非常に多いです。
仕事を教えるといっても、そもそもの「教え方」を教えてくれる機会がなくて、我流でやってるなんてことも多いですよね。
そこでこの記事では、部下が成長する仕事を教え方について、4段階に分け解説します。
部下の教育方法を調べると「感情的になるな」、「高圧的になるな」など、〜するなという解説が目立ちますが、本記事では具体的にどうすればいいのか?その手法について解説していきます。
私が今まで部下や後輩と接し、学んできた経験を凝縮しました。部下への仕事の教え方について悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んでください。
仕事を覚えてくれないときは
部下が仕事を覚えてくれないという悩みは本当に多いです。
- この前も同じこと説明したのに…
- 最近の若い人は…
ついつい、部下のせいにしてしまう。
そんな時は、少し冷静に考え直してください。
部下が仕事を覚えてくれないと感じる時、今の自分と同じ「知識」と「経験」があるという前提で説明をしていないでしょうか。
自分では「これくらい説明すれば理解してくれるはず!」と思っていても、それは今までの知識や経験が根底にあるから理解できるのであって、仕事に必要な知識やスキルがまだ備わっていない部下は理解ができないのは当然です。
「説明したからわかるはず!」ではなく、相手の理解度を確認しながら、理解度の段階に合わせた説明を行うことを心がけましょう。
教育のゴールは、「教える」ではなく、「理解してもらう」ことです。
見て覚えろは時代遅れ
部下や後輩を教育する立場になったとき、
- 自分はろくに教わってないけど、何とかやってきた
- 仕事は見て覚えていくもの
と考えてしまう人は多いのではないでしょうか。
その考え方は、現代では時代遅れかもしれません。
その理由を解説します。
見て覚えろは時代遅れ
自分は教わっていないから、部下や後輩も自分の仕事を見て勝手に覚えるだろうという考え方は時代遅れです。
「見て学べ」という背景には、「言わなくてもわかるだろう」という思い込みがベースにあります。それは「自分と他人は同じである」という錯覚によるものです。
この錯覚を前提とした教育は、部下や後輩の誤った認識を生みやすいです。
誤った認識が、自分では想定していなかったミスに繋がってしまいます。
「自分はわかっているけど、相手はわかっていないかもしれない」という意識を持ちましょう。
時間とコストがかかりすぎる
「見て学べ」は多くの時間とコストがかかります。
教育に多くの時間がかかれば、教える人の時間、人件費、教わる人が一人前になるまでの人件費など多くの費用が発生します。
自分は教わっていなかったとして、自分の成長過程はベストなものだったでしょうか。上司や先輩が丁寧に教えてくれた方が、成長にかかる時間は遥かに少なかったはずです。
部下や後輩が早く成長してくれれば、自分の業務負担も減るかもしれません。
「弟子」の期間を長引かせるのは、あなたにとっても、職場にとっても得ではないんです。
教え方の4段階法
ここからは、具体的な教育方法について、4段階に分けて解説します。
「教え方の4段階」と言われており、次の4つのステップに分類されます。
- 目的・全体像を説明する
- やってみせる
- やらせてみる
- フィードバックする(褒める)
この方法を実践すれば、間違いなく部下の仕事覚えは早くなります。
一見、遠回りに見えるかもしれませんが、結果的には一番の近道になります。
目的・全体像を説明する
Step1は、「目的・全体像を説明する」を説明することです。
説明が下手な人は、まず「やり方」から説明します。
部下や後輩は、「何のために」その業務をするのかを理解していなければ、業務のやり方を説明しても、ただ暗記するということになります。
ただの暗記はなかなか定着しません。
これが、「物覚えの悪い部下」が生まれる原因です。
まずは、「目的」、「全体像」を説明して、その業務を「何のために」やるのかをイメージさせましょう。
目的や全体像を説明することで、「次はどうすればいいのか」、詳細を説明する前に何となくイメージすることができ、心の準備ができるようになります。また、全体像を理解することで、「業務の流れ」を理解しやすく、記憶に定着しやすくなります。
やってみせる
Step2は「やってみせる」です。
実際にやってみせることで、教わる方の理解は深まります。
特に新人は新しいことを覚えることが多く、言葉で説明されただけではイメージが掴めないことが多いため、お手本を見せることで理解がしやすくなります。
「やってみせる」には他にも次の2つのメリットがあります。
- 説明する人の説明漏れを防止できる
- 細かいテクニックやコツを教えることができる
部下や後輩に実際にやらせた後に、「あっ!ここ説明してなかった!」ということもあると思います。教える人は二度手間が発生し、教わる方も流れの中で説明してくれた方がわかりやすいです。実際にやりながら説明することで、説明する人の説明漏れがなくなり、教わる人の勘違いを防止することができます。
また、実際にやって見せることで、エクセルの使い方や言葉づかい等の細かなテクニックやコツを見せながら教えることができます。このような細かなテクニックやコツは言葉だけではなかなか説明できません。実際に見せてあげなければ、教わる人は理解するのが難しいです。
やらせてみる
Step3は「やらせてみる」。
前段の説明を理解してもらったら、いよいよ実践してもらいます。
実践してみるとわからないことがでできます。わからないことがあったら、勝手に進まずに確認するように伝えておきましょう。
できれば最初は部下や後輩が業務をしているところを見ておきましょう。
説明した時は理解しているように見えても、実際にやらせてみると、「思っていたより理解していないなぁ」と感じることも多いはずです。実践してみて初めて、相手の本当の理解度がわかります。
わからないことがあった時に、勝手に判断して進めたり、聞くことができない人はたくさんいます。勘違いしたまま作業を進ませない、わからないことがあった時に聞きやすい環境を作るためにも最初は隣で作業の様子を見守るようにしましょう。
「なんで?」に耳を傾ける
実践の中で、部下や後輩が「なんで?」と思ったことには積極的に耳を傾けましょう。若い人の疑問には業務改善や効率化のヒントが隠れています。
「今まではこうやってきたから」と押し付けてしまうと、業務改善は見込めません。
耳を傾けてみると、思いもしなかった発見があるはずです。
●若い人の方が新しい知識を知っている
今は時代の流れが本当に早いです。新しい技術やツールが開発され、仕事のやり方は日々変化しています。自分がやっていたやり方は、もはや昔のやり方になっているなんてことはよくあることです。
こういった情報は、若い人の方が敏感に察知します。
若者の声に耳を傾けることによって、今よりもいいやり方が見つかるかもしれません。
●教える人の考えが凝り固まっている
一つの仕事を長く続けていると、考えは偏ってしまいがちです。
そしてそれは自分ではなかなか気づくことができません。
新しく仕事を覚える人には、凝り固まった先入観がないため、本質的な問題に気づくことがあります。
「何もわかってない」と一蹴せず、耳を傾けてください。
新しい目線からの意見は、新たな発見のチャンスです。
フィードバックする(褒める)
最後は部下や後輩が行った業務に対し、適切なフィードバックをしましょう。
もちろん、できていなかったところや、非効率な箇所の指摘はしますが、このステップで一番重要なことは「褒める」ということです。
新人のうちなどは完璧に仕事ができるわけではありません。「褒めるところが見つからない」という人もいるでしょう。ですが、できているところに目を向け褒めるようにしましょう。
褒めることには、相手の承認欲求満たす効果があります。人間は例外なく承認欲求を持っており、あなたの部下や後輩も例外なくそうです。
あなたが、部下や後輩の承認欲求を満たすことで、次のような効果があります。
- モチベーションの向上
- 自己肯定感が高まる
- お互いの信頼関係が生まれ、チームの関係性がよくなる
- 離職率が下がる
また、常に褒める癖をつけることで、部下や後輩のいいところに気がつきやすくなり、教える人のマネジメント力の向上にも繋がります。
まとめ
部下の教育で悩んだら、まず自分の教え方に疑問を持ちましょう。忙しい日々の業務をこなしながら、部下の教育をするのは本当に大変ですが、最初にしっかり手をかけることで、後のあなたの仕事が楽になるはずです。
教育は投資と同じです。教えている間は自分のリソースが割かれますが、一人前になればチームを支えてくれる大きな力になります。
そして、教えるということはあなたにとっても貴重な経験です。人に教えるには、自分の積み重ねてきた経験や知識を言葉に直して伝える必要があります。自分で理解できていないことを人に教えることはできません。その結果、自分の頭の中が整理され、学んできたことが有機的に結びついていきます。また、わかりやすく説明する能力も必要になるため、プレゼンテーション力やコミュニケーション力も磨かれます。
教育とは、教える人、教わる人双方にとって貴重な成長の機会になります。一見手間がかかるように感じますが、非常に大切な仕事だということを意識しておきましょう。
この記事が、あなたのお役に立てたら幸いです。
それでは👋